シューマンOp.68-10
ピアノにおいてハノンのような基礎的な練習は最大に重要であり、
「1か月で弾けるピアノ」とか「ハノンやらなくてもピアノうまくなりますよぉ」
みたいなものは、言ってる先生も嘘だとわかっていっているが、
生活のために仕方なく嘘たまわっている。
その点、わたくし、ノヴァカは嘘はいわない。筋トレやらないでスポーツが
大成するはずもないことを考えれば、自明である。
「先生、ハノンやりたくないんですけれどぉ」
「でも、ハノンやらなかったら万個がみれませんよ」
「じゃあ、やりますぅ」
そう、これはピアノをたしなむ方全員に言えることだが、
全員ピアノを弾く目的を忘れてしまっている!!
ピアノを弾く目的はなんだ?!
それは「万個をみるため」である。目的さえ見失わなければ、
ピアノの道、直進にあたわざることなきものである。
日々、このように考え、その堂々たる人生のあゆみ、
疑いようもなかった。あの日までは。。。
ある日、事件は起きる。
「先生、ハノンやりたくないんですけれどぉ」
「でも、ハノンやらなかったら万個みれませんよ」
「じゃあ、先生はハノンやって万個がみれたのですか?」
この生徒の逆質問を受けたとき、
私はス――っと気が遠くなりかけ、しかしそれは持ちこたえたが、
しばらく脳の中が晴れ渡った。快晴だ!。
たしかに、ハノンをやって万個が見れた試しは一度もない。