ル・クーペOp.17-1
私には妻がいる。
その名も「うん子」。 うん子って・・・。
例えば妻の名前が幸恵とかだったら、
「私は幸恵を愛しています。」などのように一定数、形になるが、
「私はうんこを愛しています。」となると
なにかもはや、往年のスカトロファンのようである。
まぁ、まぁ、名前は親から享けたものであるから、
まぁ、まぁ、それは仕方がないとしても、
今彼女がはまっているものがまた問題である。
彼女が今夢中なのがオタクのタレントさんだ。
これが嵐の松潤だったら、まぁ、まぁ
「松潤ならしかたないかぁ」となるが
こっちはオタクに負けているわけです。
まぁ、名前とか趣味とかの問題はどうでもよいとして、
妻であるうん子と私の間の世間に理解されがたい
最大級の問題がピアノに関することである。
「私も妻もピアノを弾くんです」
というと、夫婦で同じ趣味なんて、素敵じゃないですか!と思う方も
いるかもしれない。
しかし、これが大問題である。
彼女はバロック派、私は近現代派なのだ。
ピアノをやらない方にはわかりにくいかもしれない。
「私はクラシック音楽が好きです。」というのと
「私はバロック音楽が好きです。」というのではイメージが変わると思う。
多分、バロック音楽と近現代音楽では
私とうん子でピアノの話をすると、とにかくかみ合わない。
例えば、「ここ譜のテンポはどんなかんじかしら?」
「タンタタタタータタタータン(スパルタ的に速い)じゃない?」
「いや、そうなんだけれど、そうじゃなくて、
ノヴァカに聞くと腹立つわー」
「なんじゃそりゃ?」
毎日こんな感じである。